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ブレーキフルードには種類と規格がある?!その特徴や選び方も解説

2022年05月29日

車には、油圧で作動する機能が数多くあります。
その一つがブレーキで、油圧に使われているのはブレーキフルードという液体です。

車の安全を守る重要なパーツなので、用途に合った種類と規格が設けられています。
ブレーキフルードの種類や規格、その特徴などを解説します。

ブレーキフルードには種類と規格がある?!その特徴や選び方も解説

パスカルの原理を応用したブレーキシステム

ブレーキのフットペダルを踏めば、4輪のブレーキは同時に作動します。
最近では、コンピューター制御によって、走行状態に合わせた適切な制動配分する車もあります。
走行中の車を減速、または止めるためには、相当の力が必要です。
それをフットペダルだけで実現できるのは、パスカルの原理のおかげです。

密閉された中の液体や気体は圧力を加えると同じ強さで流体の全ての方向に伝わるという原理。
これを単純な計算に直してみましょう。
フットペダルの力を1とします。
ブレーキは4つ。

さらにブレーキそれぞれにピストンが2つあれば、フットペダルの8倍の力が働くわけですね。
実際のブレーキシステムはもっと複雑で、圧力を増幅させるシリンダーなどが使われています。
この機能の中で、液体として使われているのがブレーキフルード。
フルードとは流体という意味で、油圧作動する機能の液体は全てフルードと呼ばれています。

ブレーキオイルと呼ぶ場合もありますが、厳密にいえばオイル(原油)ベースではありません。
主に2種類の主成分と3段階の規格があるのです。

過酷な状況下でも機能するブレーキフルード

車は時として、過酷な条件下で使用されます。
厳寒な地域では氷点下を大きく下回り、酷暑の地域では体温を大幅に上回ります。

ブレーキに限っていえば、摩擦でパーツの温度が100℃を超えることも頻繁にあります。
ブレーキフルードが、これらの温度差の中で凍ってしまったり沸騰してしまったりしたら役に立ちません。

そのため、厳しい環境下でも確実に流体として機能する液体を規格化しました。
現在、ブレーキフルードは2種類あります。
一般的な車種に使われるグリコール系(非鉱油系)と、レースなどに使われるシリコーン系です。
かつては鉱物油系もありましたが、現在は車にほとんど使われていません。

グリコール系の主成分はポリエチレングリコールモノエーテル。
これに防錆剤や酸化防止剤が配合されています。
特徴は吸湿しても沸点が比較的高く、水分が入ってもエステル結合で水分を減らすことができます。

シリコーン系の主成分はジメチルポリシチレン。
特徴はグリコール系よりも沸点が高く、低粘度なので反応が良いこと。
反面、吸湿性がないので水分が混入すると水滴となって残ってしまう欠点があります。

また、どちらも塗装を傷める性質を持っています。
ブレーキフルードは塗装面にこぼさないよう、注意して扱いましょう。

ブレーキフルードは沸点で3段階にランク付け

2種類のブレーキフルードは、沸点を主な基準として主に3段階のランク付けをしています。
米国連邦自動車安全規格に則っており、ランクはDOT(ドット)で示されます。

ちなみにDOTはDepartment Of Transportationの略です。
DOT3はドライ沸点が205℃以上、ウェット沸点が140℃以上。
DOT4はそれぞれ230℃以上、155℃以上となり、DOT5は260℃以上、180℃以上となります。

DOT3とDOT4の主成分はグリコール系、DOT5はシリコーン系。
グリコール系が主成分で260℃以上、180℃以上の場合はDOT5.1になります。
ドライ沸点とは吸湿率0%の状態。
つまり新品ですね。

ウェット沸点は、吸湿率3.7%で、1〜2年経過した状態を想定して計測します。
ランク付けは沸点ですが、テスト項目は多岐に渡っています。
蒸発性や金属腐食性、ゴム膨潤性などがあり、これらに合格しなければDOT表示できません。
したがって、ブレーキフルードを選ぶときはDOT表示の有無を確認しましょう。

なお、メーカー純正品のブレーキフルードにはDOT表示がない場合があります。
それらはDOT基準を満たしていないわけではなく、日本工業規格(JIS)基準に則っています。
内容は、ほぼDOT規格に準じており、BF-3やBF-4、BF-5と表記されています。

ブレーキフルードと一緒にブレーキパッドも交換する

ブレーキフルードは、DOT基準のウェット沸点で分かるように経年劣化します。
経年すると沸点が下がるだけでなく異物混入も考えられ、ブレーキの効きが悪くなります。
したがって定期的に交換しなければなりません。

交換時期は一般的な走行で約4年。
坂道が多い地域での運転や近距離運転が極端に多い場合は3年が目安です。

ただし、ブレーキシステムで劣化するのはフルードだけではありません。
車を減速あるいは停止させるためのブレーキパッドも摩擦で減っていきます。
ブレーキオイルと一緒に、パッドも交換すれば運転の不安も解消されますね。

でも、ブレーキパッドは種類がいろいろあって、どれを選べばいいのか迷ってしまうのも事実。
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