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「DOT規格」とはブレーキフルードの規格の一つ!特徴や種類を解説

2022年03月30日

ブレーキフルードという言葉を知っているでしょうか。
ブレーキの効きを左右する重要なものですが、その重要性を知らない人は多いかもしれません。

ブレーキフルードとは何かを解説し、さらにその規格である「DOT規格」についても解説します。

「DOT規格」とはブレーキフルードの規格の一つ!特徴や種類を解説

ブレーキの構造とブレーキフルード

車の運転席の足元にあるブレーキペダルを踏み込むと、その力は倍力装置により増力し、さらにマスシリンダーという装置で油圧に変換されます。

この油圧が配管を通り伝わることで、車輪にあるブレーキ内のピストンを押しブレーキを利かせます。
マスシリンダーからピストンの間にある配管内には、オイルが満たされています。

このオイルが「ブレーキフルード」です。
ブレーキオイルと呼ばれることもあります。

ブレーキフルードが劣化したり不足したりすると、ピストンを押し出す力が弱まり、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効きにくくなります。

また、ブレーキフルードが沸騰し気泡が生じてしまうと、やはり力が伝わらなくなります。
ブレーキフルードは、ブレーキの効きを左右する重要な部材の一つといえるでしょう。

ブレーキフルードの特徴

ブレーキの効きを左右するブレーキフルードは、科学的に安定した素材で作られています。
そのため、寒い時期でも凍結しにくく、さらに高温にさらされても沸騰しにくい特徴があります。

ですが、吸湿性を持っています。
空気中の水分を少しずつ取り込んでしまうことで、ブレーキフルードの沸点が下がり、高温にさらされると沸騰しやすくなります。

オイルなのに、なぜ水分を取り込むのかと不思議に感じるかもしれません。
ブレーキオイルと呼ばれることがあるブレーキフルードですが、実際にはグリコールやシリコンが主成分なので、実際にはオイルではないのです。

そのため、フルード=液体と呼ばれているのです。
ブレーキフルードが満たされている配管近くにはブレーキパッドやブレーキライニングがあります。

これらが車輪に取り付けられているブレーキディスクやブレーキドラムに押しつけられると高温になります。

このため、ブレーキフルードはブレーキを効かせるたびに高温にさらされます。
ブレーキを効かせていないときには低温に戻るため、走行中は温度の上昇と冷却を繰り返すことになります。

かなり過酷な環境下に置かれるブレーキフルードは劣化するため、定期的に交換する必要があります。

「DOT規格」とは

日本には、工業品の規格の一つにJISという規格が存在します。
同じJIS規格で作られた物なら、別のメーカーの物でも相互利用が可能です。
同じように、アメリカの交通省(Department of Transportation)が定めている規格があります。

それが頭文字をとった「DOT規格」です。
DOT規格で設定されているアメリカ自動車安全基準で、ブレーキフルードは4つの基準があり、日本でもこの基準を採用しています。

沸点と粘度

ブレーキフルードの基準の中でも、注目すべきポイントは沸点と粘度です。
沸点というのは文字通り沸騰する温度です。

ブレーキフルードの沸点は、「ドライ沸点」と「ウェット沸点」の2つが定められています。
吸湿性が高いブレーキフルードは、水分を全く含んでいないときと水分を含んだときとでは沸騰する温度が変わります。

新品のときは水分を全く含んでいない状態のため「ドライ」となり、3.7%程度水分が含まれた状態が「ウェット」になります。

粘度はブレーキフルードの流動性を表しています。
数値が大きいほど、粘度があり流動性が悪くなります。

DOT3

一般車両の中でも、小中排気量の車や軽自動車向けのブレーキフルードがDOT3規格です。
ドライ沸点は205度以上で、ウェット沸点は140度以上です。

100度の時点の粘度が1.5cst以上、-40度の時点の粘度は1500cst以上と定められています。

DOT4

大排気量や重量車両、スポーツ走行用車両などに対応しているのがDOT4規格です。
ドライ沸点は230度以上、ウェット沸点は155度以上です。

100度の時点の粘度が1.5cst以上、-40度の時点の粘度は1800cst以上と定められています。

DOT5.1

大排気量や重量車両、スポーツ走行用車両などに対応しているのがDOT5.1規格です。
DOT4との違いは、DOT5.1は主に寒冷地用の規格です。

ドライ沸点は260度以上、ウェット沸点は180度以上です。
100度の時点の粘度が1.5cst以上、-40度の時点の粘度は900cst以上と定められています。

DOT5

ハマーやハーレーダビットソンなど、特殊車両用の規格がDOT5です。
他の規格は、主成分としてグリコールを使いますが、DOT5.1はシリコンが主成分です。

ドライ沸点は260度以上、ウェット沸点は180度以上です。
100度の時点の粘度が1.5cst以上、-40度の時点の粘度は900cst以上と定められています。

まとめ

ブレーキフルードは、ブレーキの効きを左右する重要な部材です。
その規格はDOTという、アメリカの交通省が定めている規格が使われています。
ブレーキフルードの選び方や交換でお悩みの場合は、知識豊富なプロに相談しましょう。